クラウド。

200X年に偉い人からバズワード認定されたクラウド。この子自身がもやもやとしていて掴めない。


google先生に聞けども僕の頭はもやもや。


そしたらちょうどきしださんが記事にされてたりIPAの研究会が資料を公開していたりとタイミングが良かったので散文。


特にきしださんが僕の頭のクラウドを的確に記してくださってた。感謝。

クラウドという言葉、わけわかりません。

で、その理由がわかってきました。

なんでクラウドっていう言葉がわけわからないかというと、ひとつはクラウドという言葉が指すものがたくさんあるからです。全体を包括するような、具体的なものを表さないコンセプトとしてのクラウドのほかに、簡単にあげれるもので少なくとも5つの意味で使われています。

クラウドという言葉がわけわからないので、分類してみた きしだのはてな

そうなんですよ。クラウドの定義が曖昧。


一年くらいことあるごとに調べてましたが、記事や言及者によってまちまちな意見。


きしださんの分類としては下記の通りです。

ということでクラウドという言葉の使われ方として

・具体的なものを表さないコンセプト

・サーバーの形態

クラウド型サーバーを使ったIaaS

クラウド型サーバーを使ったPaaS

クラウド型サーバーを使ったSaaSのはずだったけど、単にWeb上のサービス

・ネット上のサービスぜんぶひっくるめたもの

という6つの意味があげられます。

クラウドという言葉がわけわからないので、分類してみた きしだのはてな


「ネット上のサービスをぜんぶひっくるめたもの」は、ネットワークでWWWを雲マークにしてたのと同じ意味だと認識。

「具体的なものを表さないコンセプト」はすべてひっくるめた概念上の話だと認識。



IPAの研究会資料より

クラウドって?

IPAクラウド・コンピューティング社会の基盤に関する研究会が、先週公開したPDF資料クラウド・コンピューティング社会の基盤に関する研究会 報告書(案)においても、曖昧なまま。

(1) クラウドとは
クラウド」が何を意味するかについて、合意された明確な定義はないが、広義的には、ネットワークを介して提供されるサービス全般を言及するために使われることがあるようである。

クラウド・コンピューティング社会の基盤に関する研究会 報告書(案)
SaaSとかPaaSとかIaaSとか。

SaaS、PaaS、IaaSについては明確な定義があったので引用します。

SaaSとは、Software as a Serviceの略で、アプリケーション・ソフトウェアをユーザが直接使用するコンピュータ、パソコンにインストール(導入)して使うのではなく、その機能がネットワークを介して提供されるシステム形態である。多くの場合、ユーザはWebブラウザを使用し、ブラウザに展開されたさまざまなソフトウェアをユーザが意識することなく自動的にダウンロードされ、インストールされたソフトウェアに近いユーザビリティ(利便性)のもとで使用可能である2。

クラウド・コンピューティング社会の基盤に関する研究会 報告書(案)

あ、きしださんが書かれてた「クラウド型サーバーを使ったSaaSのはずだったけど、単にWeb上のサービス」という意味を理解した!!

ただのWebサービスだ!!

PaaSとは、Platform as a Serviceの略で、SaaS的に使用されるアプリケーション・ソフトウェアの作成、カスタマイゼーション、保守自体をネットワーク経由で行うことを可能したシステム形態である。アプリケーションの開発環境、カスタマイゼーション機能自体がSaaSとして提供されるものと考えても良い。

クラウド・コンピューティング社会の基盤に関する研究会 報告書(案)

この定義でいくと、PaaSとしてはGoogleAppEngineが当てはまるのかな?

IaaSとは、Infrastructure as a Serviceの略で、クラウド中の仮想マシン(「仮想化技術」については、2.3(2)を参照のこと。)を直接的に操作可能としたものである。サービス開発者・サービス提供者は、仮想マシン上で動作するOSを直接的にインストール、操作、あるいは、そのOS上で動作する任意のソフトウェアのインストールを行うことができる。

クラウド・コンピューティング社会の基盤に関する研究会 報告書(案)

この定義だと、IaaSとしてはAmazonEC2が当てはまるんだな。なるほど。


現代用語の基礎知識2010より

現代用語の基礎知識2010にクラウドコンピューティングが記載されてたので、またまた引用。



現代用語の基礎知識2010 情報・メディア インターネット インターネット全般 P653より引用。

クラウドコンピューティング[cloud computing]
サービスを受ける側から見ると、サービスの提供元は大きな雲(cloud)のような漠然とした存在であり、サーバーの構成や場所、システムの構造など雲の内部(あるいは雲の向こう側)を気にしなくても、必要なサービスを必要なときに必要な分だけ利用できるネットワーク(インターネット)の形態。
クラウド型とも呼ばれる。
業務サービスをネット経由で提供するSaaSはその一例。
システムの構築・維持費用などのコスト削減効果が期待できることから、対個人だけでなく企業間の取引もクラウド型へ移行しつつある。

この記述はきしださん定義でいうところの「具体的なものを表さないコンセプト」に当てはまるなー。
漠然としすぎだ>_<


現代用語の基礎知識2010 情報・メディア インターネット インターネット全般 P653より引用。

SaaS(サース)[Software as a Service]
業務ソフトウェアを従来のパッケージやシステム全体の構築といった形でなく、インターネット経由のサービスとして提供する方式。
価格はサービスの内容に応じて毎月の固定料金などで決定される。
利用者側はサービスを素早く利用開始でき、初期費用や運用維持費用を低く抑えれられる。
またサービスの提供者側はサーバーを集中管理でき、汎用的なサービスを用意することで、同様のサービスを複数の顧客に提供しやすくなるというメリットもある。
さらに、アプリケーションソフトのみならず開発環境までウェブサービスとして提供するPaaS(Platform as a Service)など、クラウド型への流れが進んでいる。

現代用語の基礎知識2010 科学・技術 情報技術 注目語 P698より引用。

クラウドコンピューティング[cloud computing]
インターネット上にあるハードウェア、ソフトウェア、データなどのリソースを、ユーザーがそのリソースがどこに存在するかを意識することなく使える環境や利用形態をいう。
リソースがどこにあるか、もやもやとした雲(クラウド)のように把握しようがないという意味でクラウドという。
従来からあるネットワーク・コンピューティング(NC network computing)、アプリケーション・サービス・プロバイダーASP)、サース(SaaS[software as a service])などに近いサービスであるが、ユーザーが接続先を意識せず、あたかも自社内のネットワークのように使えるのが特徴である。
企業にとっては、自社内にシステムを構築するコストと運用にかかるコストを削減できるというメリットがある。→SaaS

現代用語の基礎知識2010 科学・技術 情報技術 コンピューター技術のビジネス活用 P704より引用。

SaaS(サース)[software as a service]
ソフトウェアをネットワークを通じて利用することをいう。
このようなサービス形態は以前から考えられており、クライアント・サーバ型の分散処理システムが広く普及した1990年代には、すでにネットワーク・コンピューティングが提案されている。
また、端末からスーパー・コンピューターにアクセスしてスーパーコンピューターのアプリケーションを使用してデータだけを入手するようなサービスもネットワークコンピューティングのひとつである。
最近のクラウドコンピューティングもネットワーク・コンピューティングのひとつといえる。→クラウドコンピューティング

現代用語の基礎知識2010 科学・技術 情報技術 コンピューター技術のビジネス活用 P704より引用。

PaaS(パース)[Platform as a Service]
ネットワークを通じてアプリケーション・サービスを行うSaaSと同様のサービスだが、アプリケーション・ソフトウェアが稼働するためのプラットフォームを提供するところが違う。→SaaS

感想

  1. もっとクラウドを調べて自身の言葉で語れるよう精進する。
  2. 他の技術者、お客様、上司と話す際にはお互いの認識水準を確認し話す必要がある。じゃないと誤解が誤解を生む。
  3. 正直調べれば調べるほどわからなくなる。

参考文献

現代用語の基礎知識2010

現代用語の基礎知識2010