『オブジェクト指向JavaScript』を献本頂きました

縁あってレビューさせていただき、その結果献本いただいたので書評を勝手ながら。

オブジェクト指向JavaScript

作者: Stoyan Stefanov,水野貴明,渋川よしき
出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
発売日: 2012/04/13
メディア: 大型本
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誰向きの本？

はじめてJavaScriptを学ぶ人。
JavaScript使いでオブジェクト指向プログラミングに悩んでる人。
- JavaScriptは柔軟な言語なので選択肢が多様で悩みますよね。
JavaScriptの王道書籍、サイ本の厚みから避けてる人。
- 『パーフェクトJavaScript』と対象読者層はかぶるけど、こっちの書籍のほうがオブジェクト指向プログラミングに注力しているよ。

第１章イントロダクション
第２章プリミティブ
第３章関数
第４章オブジェクト
第５章プロトタイプ
第６章継承
第７章ブラウザ環境
第８章コーディングパターンとデザインパターン
付録A 予約語
付録B 組み込み関数
付録C 組み込みオブジェクト
付録D 正規表現

各章に一言づつ

１章ではJavaScriptの歴史や、オブジェクト指向プログラミング自体の基本概要。Web開発では必須なFirebug、IEの開発者ツール、ChromeとSafariの開発ツールも紹介している。

２章ではJavaScriptの基本的なデータ型、構文を紹介している。

３章では関数。無名関数や、クロージャ。重要なのは関数の実行環境であるスコープの紹介がなされていること。

４章ではオブジェクト。thisやコンストラクタ関数をはじめとしたオブジェクト全般について紹介されている。組み込みオブジェクトについても網羅済み。

５章ではJavaScriptがプロトタイプベースの言語であるがゆえに、プロトタイプについて。

６章では１章から５章で学んだこと（特にプロトタイプ）を駆使して継承について紹介している。プロパティのコピーについても触れられている。多重継承やmixinもコードベースで紹介されてる。

個人的な話だけど、"uber"という変数を使ってるのはなぜだか理解できなかった...。これが通例なのだろうか？

//
TwoDShape.uber = Shape.prototype;
//

７章ではブラウザ環境のJavaScriptに関して。BOM(Browser Object Model)とDOM（Document Object Model）の概要やブラウザのイベントモデルについて。イベントモデルについては、バブリングフェーズやキャプチャリングフェーズについても載ってる。それとXMLHTTPRequestによる通信について。

ラスト８章ではコーディングパターンとデザインパターンに関して。デザインパターンについては、シングルトン、オブザーバ、デコレータ、ファクトリーの各デザインパターンをコードもありで解説。コーディングパターンについてはMVCモデル（とは本書では述べてないけど）と名前空間など。

付録で良い点は、予約語、組み込み関数、組み込みオブジェクト、正規表現の４つについて列挙されていること。リファレンスとして使える。