経済産業省のIT経営力指標

IT経営力指標は、経済産業省(以下、経産省)が自組織において、ITの活用度合いを測る指標です。

なぜ記事にしようと思ったかといえば、経産省のサイト上で公開されていたURLはわかるものの、現時点でサイトで見当たらなかったため、Wayback Machine でサルベージした。ほかにも困っている人はいるだろう、一助になればと思う。

下記は引用。

自社のIT活用度合いが気になるという経営者が多い中、同業他社、他業種、他国などとの関係において、IT活用における自社の位置付けをしっかりと把握しておきたいものです。
経済産業省では、経営者が取り組むべき事項をまとめた「ITの戦略的導入のための行動指針」をベースに、その達成度合いを4つのステージに分け、「IT経営力指標」として企業のIT活用度合いを客観的に測るための指標を作成しました。

経営戦略とIT戦略ないしはシステム戦略

経営戦略とIT戦略ないしはシステム戦略といえば、経産省システム管理基準において、ITガバナンスの文脈で語られている。

具体的な引用ではあるが、下記。

Ⅰ.1.1 経営戦略とビジネスモデルの確認
組織体の目的(パーパス)を実現するためのビジネスモデルと、それを実現するための経営戦略を支援するための IT 戦略ビジョンを策定する。
なお、ビジネスモデルとは、組織体が、顧客や社会に価値を提供し、持続的に価値を向上させていくビジネスの仕組みのことをいう。
<達成目標>
1. 組織体を取り巻く自然環境、社会的・経済的な状況に応じて、組織体の目的を達成するための経営戦略とビジネスモデルと達成すべきビジネス成果が明確にされ、組織体全体に周知されている。
2. 経営戦略とビジネスモデルを実現するための IT の役割と重要性が認識されている。
3. 経営戦略とビジネスモデルを実現するための IT 戦略ビジョンが策定されている。
4. IT ソリューションや新技術等が経営戦略とビジネスモデルに及ぼす影響が定期的に評価され、経営戦略とビジネスモデルについて、必要な見直しを行っている。
<ガバナンス活動の例>
1. (IT 戦略ビジョンの策定)経営戦略とビジネスモデルにおける IT の役割を明確にし、組織体の IT 戦略ビジョンを策定する。
2. (ビジネス成果の設定)IT 戦略ビジョンでは、経営戦略とビジネスモデルにより達成すべきビジネス成果を設定する。
3. (ステークホルダーのニーズの反映)IT 戦略ビジョンには、ステークホルダーのニーズを反映する。
4. (新技術等の定期的評価)新しい IT ソリューションや新技術が IT 戦略ビジョンに及ぼす影響を定期的に評価する。
5. (市場変化の定期的評価)市場の変化が経営戦略とビジネスモデルに及ぼす影響を定期的に評価する。
6. ( IT 戦略ビジョン等の見直し)事業環境等の評価を実施し、その結果に基づいて、ビジネスモデルと IT 戦略ビジョンの見直しを行う。
Ⅰ.1.2 IT 戦略の策定
組織体における IT システムの利活用のあるべき姿を示す IT 戦略を策定し、それに基づいて IT マネジメントの責任者に指示する。
<達成目標>
1. 取締役会等の意図と期待を明確にした IT 戦略( IT ガバナンス方針と IT 基本計画)が策定されている。
2. IT ガバナンス方針には、ビジネス成果を実現するための IT 戦略の達成目標が設定されている。
3. IT 戦略の実現に必要となる組織体のデジタル活用能力を確保するための戦略と計画が策定されている。
4. IT 戦略において、IT ソリューションの劣化や陳腐化に対処するための戦略と、将来に向けた IT に関する適切な方向性が示されている。
<ガバナンス活動の例>
1. (IT 戦略の策定)IT 戦略に関する取締役会等の意図と期待を明確にしたIT ガバナンス方針と IT 基本計画を策定する。
2. (IT 戦略策定の権限委譲)経営者に権限委譲して IT 戦略を策定する。
3. (IT 戦略の評価と承認)策定された IT 戦略は、取締役会等が内容を評価し承認する。
4. ( IT 戦略の見直し)組織体を取り巻く環境変化を評価し、その結果に基づいて、IT 戦略を見直す。
5. (IT ガバナンス方針)IT ガバナンス方針では、次の事項を明確にする。
(1) ビジネス成果の実現と結び付けられた IT 戦略の達成目標の設定
(2) IT ガバナンスの体制、責任及び権限
(3) IT 投資の方針
(4) IT 資源の調達と IT 人材の育成・確保に関する方針
(5) IT システムの利活用に関わるリスク評価(サイバーセキュリティリスク評価を含む)に基づく IT リスクマネジメントの方針
(6) データ利活用の役割と意思決定に関する方針
(7) 新しいソリューションや新技術の定期的な影響評価に基づく、技術の陳腐化等に対処するための方向性
6. (IT 基本計画)IT 基本計画では、次の事項を明確にする。
(1) 組織体の現在のニーズと将来的なニーズへの対応
(2) IT システムの利活用に関わるステークホルダーの特定と、そのニーズの反映
(3) 組織体のデジタル活用能力の駆使による組織体の価値の向上
(4) IT 戦略の目標達成状況を評価するための開発計画等におけるパフォーマンスの期待値と IT エコシステムの選定基準の設定